王子様の、花嫁探し。



親が満面な笑顔であたしを見送ってるシーンが頭の中で浮かぶ。


どうしてそんなにニヤニヤしてるのかは聞いてないけど


まさかこれで……っ?

てか知ってたのかいな!?




「で、でも!そんなの!」

「あ、君の荷物、マンションの倉庫に入れといたよ」


スマイルで言うな。

なんで倉庫に……っ。泣




「あたし帰る」

「どこへ?」

「へ?」



……アパートを思う浮かぶ。




からっぽの部屋。


あぁ。
そうだった。


私の部屋よ……。大泣




「せやから、ここで俺様と二人で住むんや」

「どうして君と住まなきゃいけないんですか」


マジ勘弁。



「さっきから何遍も言っとるけど……。
 
 ま、栖羽ちゃんは、

 花嫁候補に選ばれたんや」



「……花嫁、候補?」



なんですかそれ。




「せやから一緒に暮らすんや」

……なんだそれ?



「てか、なんであたし?
 なんでさ、選ばれたから
 一緒に暮らさなきゃいけないの?」


もうちんぷんかんぷんです。


頭の悪い私にはまったく理解不能。