「望...。」


「お願いだから...。」


望は苦しそうだった。


私が側にいる事で望が苦しむなら、私は側にいない方がいいのかな...



「望、もうこないよ...望がそんなに嫌なら私はもうこない。ごめんね...。」


私は望にそう言った。


本当は明日も明後日も...毎日来たい。


でも、無理なんだよね。



「幸...。」


「今までありがとう。体に気をつけてね。」


私はそう言って帰ろうとした。


その時。


「ちょっと待て。」

!?


望は私の手を掴み病室の中に入れた。


「なんなの?!」


もう訳が分からなかった。


望が“帰れ”って言ったのに...



辛いけど、もうこないって決めたのに。


なんで、こんな事するの?


「......。」


望は病室に入っても何も話さない。


「望、なに?...帰れって望が言ったんだよ?」


「.....。」


「心配で見にきたのに...なんで私になんも言ってくれないの!!」


「......。」


「もう...帰る。」


私は病室を出ようとした時だった...