奇跡をあなたに




私は会う勇気がなく帰ろうとした...



その時。


「幸?」


!?!


私が後ろを振り替えると、そこには...



「...望?」



望は病室にはいなかったんだ。


「なんで...いんだよ。」


「...会いに。」


私は小さな声で言った。


「ん?」


「...望に会いに来たの。」


「...なんで分かったんだよ。」


「保健室の先生に教えてもらった...。」

「そっか...俺がなんで入院しているのかも聞いたか?」


私は首をふった。


「そっか...。」


望は下を向いた。


私は思わず望に言った。

「なんで...入院してるの?」



「.....。」


望は話さない。


「望?」


「ごめん。帰ってくれね?」


「えッ?」


「もうここに来るな。」


「なんで!?」


「いいから...。」


「―――ッ望は私がいなくても平気なの?」


「.....あぁ。」


ドク


「嘘...望本当に言ってるの?私は望がいないと嫌だよ!!」


「帰れ。」


望はそんな事しか言わなかった。


久しぶりに会っても、望の笑顔を見る事はできなかった。