奈々から来たメールにはこう書かれていた。




“幸先輩。

幸先輩ずっとメールと電話してくれてありがとうございました。本当はすぐにでも返したかったです。
でも、幸先輩には迷惑かけたくなかったんで....
幸先輩は‘先輩’って呼ぶなって言いましたけど、やっぱり幸先輩は先輩ですから。
幸先輩はずっと私の憧れでした。
いじめられても、負けないで学校には来て。私はそんな姿を見て自分も負けたくないって思ったんです。
でも、無理でした。私は幸先輩みたいに強くありませんでした...幸先輩と望先輩が友達って言ってくれて本当に嬉しかったです。
3人で河原にいた時だけが私は生きてる実感がありました。
本当に感謝しています。
そして、本当にごめんなさい。


奈々 ”


奈々のメールは“死”を表しているような気がした。


私はその携帯を床に起き、ただ呆然として考えていた。


このメールを送ってくたのは今日。


そして、ビルから転落したのも今日。


このメールを送って奈々はすぐ転落したんだ。


そう思うと私は一気に後悔をした。


そしてもっと早く奈々の現状に気付けなかった事に...