あいつは、あたしがなき止むまで

肩をやさしく叩いてくれた。

瞬 「大丈夫だから。」

霞音「分かってる。」

ホントは、「ありがとう。」って

言いたいのに、意地ばっかり

張ってるあたしは言いたいことが

言えなくて。

瞬 「じゃぁ、行こうか。」

霞音「え??」

瞬 「今日、退院だろ?」

霞音「うそ。聞いてない。」

瞬 「歌ってやるよ、お前のために。」

そぅいぅと、あいつは椅子の上に立った。

「目を閉じて。風が通り抜けるのを

 待てばいい。

 いつも、最高でいなくたっていい。

 時には、支えあって、助け合うのが力に

 なるから。。。。。」

あいつの歌った歌は、聞いたことのない曲

だったけれど、なんだか懐かしい気が

した。

それに、まるであたしのために歌われた歌

みたいだった。

涙が出そうだったけど、唇を噛んで必死に

堪えた。