アタシは急いで教室に向かった。 (まだ翔ちゃんがいますように。) ガラガラ 勢いよく開けたドアの向こうに 翔ちゃんはいた。 机の上であぐらをかいて あごにひじをついていた。 「おぃ、お前どこ行ってたんだよー。」 「翔ちゃん何で?、何で。」 「何が?」 「奈乃香のこと。」 「あぁ・・・。だから俺、 好きな人いるってば。」 「奈乃香のことじゃなかったの?」 「は?いつ俺がそんなこと言ったの?」