切な連鎖ーセツナイレンサー


「いいよ別に、もう振られてるし。」


「はぁー?翔ちゃん頑張んなきゃじゃん
塚まだそんなんわかんなくない?
もしや、もう告白したの!?」

「なわけないじゃん。
普通に見ててわかるっつーかさぁ、」


「ふーん、そうなんだ・・・。
でも、その子に気持ち伝わるといいね!」


「うん。」


「あっ!もう9時半なる、
ごめん翔ちゃんそろそろ切るね。」


「わかった。」


「じゃ明日ね、ばいばい。」


「ばいばい。」


(なんか切るの惜しいかも。)


アタシは自分から切るのをやめ、
受話器を耳に当て直した。


(あれ?まだ、切れてない。)


アタシは急に恥ずかしくなった。


それと共に、相手から電話を切った時の
あの「プツ、―」という音を、
なんだか聞くのが悲しくなった。

だからアタシは思い切って、
「切」ボタンを押した。


<あーぁ切れちゃった。
それにしても、あいつ鈍感だろ。>




(ふぅ・・・。よし!
奈乃香に報告しなきゃだ!
やっぱり翔ちゃん好きな人いたんだ♪)