カオルにあんな態度とって傷付けて
自分の気持ちに気付いた時にはもう遅くて

きっともう素直になれない、なっちゃいけないって思ってた。


だけど、そんなあたしをカオルは簡単に許してくれて
こうして抱き締めてくれて




「…ありがとう」



こんな言葉じゃ、ちっぽけすぎて全然足りないけど。


あたしはカオルの背中にそっと手を回した。










「“また”なっ」


「うん、“また”」




大きく手を振る。


大丈夫。
もう泣かない。


さっきまで見えなかった未来がちゃんと見える。



あたしは真っ直ぐ前を向いて一歩、歩き出した。