「何があったんだよ」
放課後、リュウヤと2人でキャッチボールすることなんて初めてだった。
ずっと3人だったから。
「あれだろー。カオルに告られてお前ふったんだろー」
―ガンッ
「ごふぉっ…!!」
鈍い音をたてて、ボールはあたしの頭に激突した。
な…、なんちゅう鋭さよあんたは…。
投げてる最中にそんなこと言わないでよ~…。
「…違うよ!!告られてなんかないもん」
だって本当だし。
“なかったこと”にしたんだし。
少し腫れた頭をさすりながら言うあたしに、リュウヤは「ふーん」と何かを探るような目でこっちを見た。


