17才




「何2人とも意地はってんだよ!カオルも何バカなこと言ってんだ」



感情的になっているリュウヤとは逆に、カオルはゆっくりと静かにこっちを向いて呟いた。



「なかったことにしたのはお前だろ」




とても、とても冷たい瞳。

最初にカオルを見た時と、同じ瞳。



カオルの瞳をそんな風にさせてしまった自分が許せない。


もう許されることなんてない。



“なかったこと”にしたのはあたしなんだから。


あたし自身なんだから。



教室を出て行くカオルを止めることは

もうあたしには出来ない。