アキのことになると、あたし、色々考え過ぎちゃうからなあ…。


「アキ、早く帰んないと風邪引いちゃうよ」


「え、犬は?」

アキは不安げにあたしを見た。


「…連れて行くんじゃないの?」

アキは嬉しそうに子犬を抱え、あたしの隣を歩いていた。

もう、周りは暗くなり始めてよく見えなかったけれど、子犬を抱きしめて歩くアキの姿はたまらなく愛しいものだった。


「ごちそうさま!」

彼はそう言うと、真っすぐに玄関に向かった。