「まさか、初戦のチームにあの人がいたなんて…」

相手チームのオーダー表を見たあたしは、驚きが隠せなかった。


「先輩、どうしたんですかあ??」


「ごめん、少し緊張しちゃって…」

あの大会のとき、アキの球を完璧にとらえ、打ち返した、あの人。

田宮龍我が、いた。


「プレイボール!」

先発は3年生で変化球の種類が多い先輩だった。


田宮はベンチにいた。

ベンチから、アキの姿を強い視線で捕らえている。