季刊『お屋敷ハンター』

「そんなことわかんの? この石見て」

「ばかねー、調べてあったに決まってんじゃない。建築探偵・鑑定幻想? なに夢見ちゃってんだか、このぼーずくんたら」

殺スかもしれん。


「ボク、登ってもいいですか」

「あぁ、上チェックして来てよ」

「へい」


 踏むそばから崩れていきそうな階段を、注意払って上っていく。

崩れるところは一通り崩れてしまっているらしく、足元ポロリなんて目には一回も合わずに済んだ。


二階と呼んでいいんだかどうか、そんな場所に無事に着く。

お伽噺の挿絵のようなくり貫かれた石窓から、オレは顔を出してみた。


地上、感覚三階程度。
ミヨちゃんがちーさく見えている。