季刊『お屋敷ハンター』

いつか手に入れるミヨちゃんの住む屋敷こそが、天下一品の謎屋敷になったりしてな。妖怪変化自由自在。


 ロビーのフランス窓を開けばそこに、外階段のついた丸い建物が空を目指して伸びていた。屋敷の本体よりも高さはあるように見えている。

なんと言うのかこんな場所を。
パティオ? だったかもしれない。まぁつまりは中庭だ。


 投げやりになった足が、かっつんと何かを蹴り飛ばした。

地面に転がるは白い石。

塔の構成部品であるそれは、かなりの数が一面に散らかっている。

ミヨちゃんはしゃがみ込み、破片を手に取りじっと見つめる。指一本でノックのように、とんとん叩いてみたりして。


「イギリスはサセックスの石ね。運んできて積み上げたんだわ」