季刊『お屋敷ハンター』

酸素の足りなくなっていく脳は慌てて、窓の外に見えるものにすがりついた。

逸らせる期待は薄かったにも関わらず、なんとミヨちゃん、力を抜いて下される。


「あぁ。塔よ」

げほ。


「そうだわ。あっちを先に確認しとこ。働くわね? 汐崎」

「もちろんッス」


 妖怪か、アンタ。

ミヨちゃんこそ廃墟に現れる怪しのものでいいんじゃないだろうかと、この考えを誰かに聞いてもらいたい。


旅行は三人で行けというのは、こういうときに真髄なんだよ。当人以外の誰かでないと、悪口言えないつうことで。