季刊『お屋敷ハンター』

「私、実害には強いんだけどさ、つかみどころのないものは投げ飛ばせないし、どうにも太刀打ちできなくて参ってたのよ。噂どおりのヤバい屋敷も多いからね、いよいよな目に合ったら困るじゃない。お屋敷に住むっていうのは子供のときからの夢だから、あきらめるわけにはいかないし」

「子供ね」


「なに」

「あぁいえいえ。なんでもござんせんです。もちろんです」


 勇気を無駄には使わないため、かわいいところもあるんですねなどと言ってみたりは絶対しない。

そして夢を語る美女は良いものだと思う以上の気持ちで、くだらねぇ私事に巻き込むんじゃねぇよコラ、もっと人生マジメに働けよオイ、と思っていた。

とても正統に聞こえるそんな意見は、口に出させていただきます。