「言い分はこうだ。仕事柄、古い建物に行くことの多い彼女は、時折危うい気配を感じることがあるという。そんな時に一人、能力者がいたら助かるのにと常々思っていたとのことで、借り受けられないものかとここに押しかけてきたのだが、ストレートに希望を伝えると、受付で剣もほろろにはねつけられてしまったと。しかし諦めきれずにロビーに立っていたところ、一人の青年が入ってくるのに出会い、清掃員だと名乗ったその人間の目の力にただ者でない感覚を覚え、カン働きの囁くままご指名なさったとこういうわけだ」


「しゃべってる間に読んじまいましたよ。なんですこの最後。なお願いが聞き入れられない場合、当方それなりの覚悟と用意と備えがあります、つーのは。脅し入ってるじゃないですか、コレ」