「あの時の声、…――瑠奈の…――」
やっぱ瑠璃、誤解してる…―――
あの瑠奈ちゃんの演技はたいしたものだったから。
その問にしれっと答えた。
「キスしてる時は、…ああいう声が出ちゃうんじゃない?」
あのキスは、誤解だから。
僕がベッドの上に押し倒してまでキスしたいのは…――
「瑠璃だけ」
瑠璃の目を見てきっぱり言った。
「私、凜久の事少し疑っちゃったの…」
"好きな子を不安にさせたくないんだ"
あの言葉も嘘だったんじゃないかって。
あの、キスも…―――
一生懸命話してくれる瑠璃。
「悪いのは僕だよ――…どうしたら許してくれる?」
瑠璃の顔を覗き込んで聞くと、少し考え込んだ後、僕が予想すらしていなかった大胆な事を言ってきた。

