「いっぱい泣かせてごめんね」
瑠璃の顔にそっと唇を近付ける。
そして向かった先は―…。
「……んっ…」
涙が流れた跡を唇で辿っていくと…キュッと目を閉じて、くすぐったそうに顔を背ける。
それ以上、顔を背けられないように左手で瑠璃の頬を包んで固定する。
"好き"な想いが満ちあふれてきて心の中に収まりきらない。
溢れ出した想いはもう止まらなかった。
少しして、部屋入って?なんて言うから瑠璃に続いて僕も部屋へと入る。
外はもううっすらとした夕闇に包まれていて、秋の終わり…冬の始まりを意味しているようだった。
窓から吹く風がふたりの頬をひんやりと撫でる。
「あの、ね…――」
瑠璃がベッドに腰掛けるから、僕も隣に座る。
俯いた顔から遠慮がちな言葉が零れた。

