瑠璃の部屋に背を向けて歩き出そうとした。
僕の恋は…―――、
叶わなかっ…――
「……えっ?」
ドアがゆっくり開いたと思ったらするっとお腹に何かが巻き付く感触。
「…っ、瑠璃?」
「………」
返事はない。
ぐすっと鼻をすする音が聞こえたと思ったら、ぎゅうっと巻き付いた手に力が込められた。
「…き、だよ…っ」
"好きだよ"
って確かに聞こえた。
"私も凜久が好き、だよ"
確かにそう、聞こえた。
「ねぇ、瑠璃?」
後ろを振り向こうとすると
「やっ、見ちゃダメ」
僕の背中に顔を押し付ける瑠璃。
「たくさん泣いて、ヒドい顔してるから見られたくない、の…」
ひどく弱々しく、絞り出すような声だった。

