「…――瑠璃、?」
ドアの向こう側へ声を掛ける。
瑠璃の名前を呼んだ。
「………」
返事は、なかった。
大きな不安が僕を襲う。
真っ暗な闇に呑まれていくみたいに。
嫌いって言われたら、
もう来ないでって言われたら――――…
「…――瑠璃、ずっと言いたかった事があるんだ」
本当はこんなタイミングで言いたくなかったけど…
好きな女の子に気持ちを伝えるって、……こんなに勇気のいることだっけ。
マンガで読むような、甘酸っぱいトキメキなんかなかった。
――胸が、苦しい。
ジリジリと内側から焼かれるような――焦がれるような、そんな痛み。

