そこまでは言わなかったけど、
見てて分かるのよ。
「あの子は――…」
そう言いかけた時、口を閉ざす。
「…え、なに――?」
ふふっと笑みを漏らして瑠璃の顔を見るおばさん。
「それは、私から言うことじゃないわ。」
凜久に直接聞いてちょうだい。
「…え、なに――…?」
真っ赤になった瞳を大きくして首を傾ける。
「とにかく、凜久を信じていれば大丈夫よ」
あの子はすごく瑠璃ちゃんの事を想ってるって事。
ふたりで来てくれた時も、すごく愛おしい目で見ていた。
瑠璃ちゃんも凜久自身も気付いてないかもしれないけど、周りのオーラが恋してる色っていうか…、
あれはお互いを想い合っていないと出せない色だわ。
「青春ねぇ…」
瑠璃が帰った後、おじさんの隣で悩ましい吐息を吐く。

