*瑠璃 side* 「落ち着いた?」 優しいおばさんの声が頭上で聞こえる。 でも、私はフルフルと首を横に振った。…おばさんに抱きついたまま。 まるで泣きじゃくる子供のように、おばさんにしがみつく。 「…――そう」 そう言ってなだめるように髪を撫でてくれた。 この街に引っ越してきて、1番早くに素の自分を出せたのはおばさんなのかもしれない。 だから自分の過去も話せたんだ。 …瑠奈と遊くんの事も。 「おばさん、ありがと…」 ――そっとしがみついていた腕を離す。