瑠璃が立っている、その場所からは僕が瑠奈ちゃんにキスをしているように見えるだろう。 そして、さらに追い討ちをかける瑠奈ちゃんの声。 「…っ、凜久…センパ……イ…」 キスをされているような、 彼女の、声。 「…ふっ、――く…っ」 背中越しに突き刺さる瑠璃の嗚咽混じりの苦しそうな声。 見なくても、泣いているんだと分かった。 バタバタと階段を駆け下りる激しい音と、何かが落ちる音。