――ああ、これは夢だ。 あの時に見た。 そう思って、起き上がろうとした時。 部屋のドアが開いた。 そこだけまるで切り取られた空間のように。 ――時間が止まったように訪れる静寂。 「まさかこんないいタイミングで来ちゃうなんて」 なんで、――… なんで瑠璃が。 下にいる彼女の顔が冷たく歪む。その歪んだ表情で笑みを零す姿はホンモノの悪魔のようだ。 僕はまんまと彼女の罠にはまってしまった。