カタン、と控えめな音を立てて紅茶を入ったコップを器へ戻す。 薄々気付いてた。 ……―――彼女の気持ち。 「瑠奈ちゃん本当はさ」 俯いていた顔が上に持ち上がる。 彼女の瞳を真っ直ぐ見つめる。 瑠奈ちゃんも逸らす事なく僕を見た。 「僕のこと、好きじゃな「最初は本当に一目惚れだったんです」 また、遮られてしまった。 「偶然、見てしまったんです」 瑠璃と凜久センパイが一緒に帰る所を。 俯いた顔が微かに震える。