――嫌……イヤ、だ。 見たくないのに、その光景から目が逸らせない。 足が、動かない。 ガクガクと震え出す足と、ドクドクと大量の血液を送り出す心臓。 まるで私の体全部が波打っているよう。 何も、聞こえない。 心臓の音しか聞こえない… はず、なのに―――…… 「…っ、凜久…センパ……イ…」 ――ドクン、と一層大きく心臓が脈打つ。 聞こえてくるのは、彼女の声。 苦しそうな、…――声。