「そういえばあの子……あの日以来、来ないわねぇ」 キッチンの窓を覗き込んでいるお母さん。 今日はちゃんと、お湯と冷たい牛乳で作れたカフェオレ。 「そう、だね――…」 吐息のせいでカフェオレから立ち込める湯気がふんわりと揺れる。 "忠告"なんて言われたけどまだ実際なんにもされてない。 一体、なんだったんだ? 朝食を食べ終えて部屋へと戻る。 平凡な、休日。 机の上に置かれたままのピンク色の袋。 「まだ赤いかさ、買ってないんだよね…――」