年上カノジョに蜜な罠



「自習でいいのにな」


ヨウのため息混じりの声にそうだね、と苦笑するばかり。




"2-C"
その単語が出た途端、騒ぎ出した男子たち。


「マジで!!超ラッキーじゃん」


「いつも教室から見てるだけだったもんな~」



…もしかして…―。




「どうやらそのクラス、あの彼女がいるみたいだぜ」


"瑠奈ちゃん"その名前ばかりが飛び交っている。




「そんなにいいのか?アイツ」


隣のヨウは呆れ顔。



「瑠璃だったらきっと、僕もテンション上がってたかも」


こういう場面って何度かあったんだ。

雨で運動場が使えなくなって体育館になるっていう。



体育の授業を受けてる瑠璃の姿はすごく新鮮で。


それこそ、さっきの男子みたいに"いつも教室から見てるだけ"だったから。


学年の違う僕らはたまにしか瑠璃の運動してる姿なんて見れないんだ。