「…わ、なんかみんな凜久のこと見てるよ」
これとこれ、どっちがいいかな?
…こっち。
そんな会話を繰り返しながら、最後の方は僕の服を買うのも付き合ってもらったり。
そんな瑠璃との買い物の帰り道。
周りの視線を気にしているようでそっと瑠璃が僕に耳打ちをする。
「そんなことないと思うけど?」
…見ているのは…多分、…瑠璃。
元々、服のセンスがよくてどれも可愛く着こなす。
しかも今日なんかは短いパンツなんか履いちゃって、おそらく瑠璃の"最強の武器"の脚を前面に出しちゃってるから。
振り返るのはみんな男ばっか。
それをその視線は、僕に向けられているものだと勘違いしている瑠璃。
「みんな瑠璃を見てたんだよ」
きょとんとあからさまに"分かってない"オーラを出し続ける瑠璃に分からせる為に、
ほら、この辺。
そう言って剥き出しになった白い太ももをつつ…と人差し指でなぞる。
瑠璃の甘い声を聞く前に、
「じゃあね」
耳に唇を近付けて囁いた後、即座にその場から逃走。

