「行ってきまーす」
それだけ言うと、僕は瑠璃の家へと向かった。
「あれ?」
隣を歩く瑠璃がなんか不自然に感じた。
瑠璃の足元に視線を持って行くとぺったんこのサンダル。
いつも履いているお気に入りらしいウェッジソールは履いてなかった。
「ん?どうしたの?」
不思議そうに瑠璃も自分の足元を気にしている。
「へ、変かな…」
そんなことないよ、と言ってみたものの…。
やっぱり僕の"背"を気にして、気遣ってくれたんだろうか。
瑠璃のオシャレの幅を狭めるなんて嫌だな。
でも、さり気ないこの瑠璃の優しさが嬉しかった。
これがもし"たまたま"だったりしたら僕、泣いちゃうからね―…?

