「シ……シェ…シェス……。
…………ごめん私の口が死んでもその名を口にしたくないわって言ってる。だからチェリーでいい?」
いやコレ冗談とかじゃなくて。
「……チェリーはやめてください」
そう言うチェリーさんの表情には疲労の色がにじんでる。
「うるさい。パイに埋め込んでチェリーパイにするわよ」
私がそう言うと……
「こいつチェリーパイにしたら食べていい?」
横から目を輝かせてデルが言った。
「ダメよ!!こんなの食べたらお腹じゃなくて人格が壊れるわよ!
………………あ。アンタ人じゃないか」
ギャーギャーと騒いでる私とデルを見て
「ハァ…」
と飽きれたようなため息を残して去って行く……チェリーパイボーイ。
……あっ、
ちょっとグレードアップ……。
去り行くチェリーパイボーイに横目で視線を送る。
私の視線に気付いたのか、こちらを振り返り……
「プッ……」
嘲笑。

