続・幸せの契約

大きな窓を開ける

広いベランダ


大和さんの部屋と繋がってるんだ…


白い柵に両肘をつく


黒い海面が
月明かりに白く揺れる


満月かぁ



暗闇の中にいた私

それが
あっという間に月明かりのしたにいるなんて



“幸せ過ぎて怖い”


絶対感じることなんてないと思ってた



でも
今はわかる…


月が雲で隠れるみたいに
今の幸せは
簡単に…消えてしまう



大和さんを好きになればなるほど…

私の周りは輝いて
幸せに満たされる

だからこそ
失った時の恐怖は計り知れない


潮風が頬を撫でた
白いサテンのワンピースパジャマが風に舞う


「眠れませんか?」


え?



振り返ると
大和さんが立っていた