続・幸せの契約

屋敷の前のビーチには
白いパラソルが3つ


そして
ウッドチェアには大和さんがくつろいでいた


水着に白いシャツを羽織っただけ…


鍛えられたうっすらと筋肉のついた
無駄のない胸板が…腹筋が…

私の視線をくぎ付けにする

「お待たせいたしました。」
由香ちゃんが大和さんに挨拶をして私の後ろに下がる


出来るなら
私の前に立って
私を隠して欲しいよぉ…

ゆっくり大和さんの視線が私に移る


鼓動がうるさい

クスッ
「鈴さん…バスタオルを巻いたままでは泳げませんよ?」



「だって…水着が…。
恥ずかしくて。」


口ごもる私



「私たち以外誰もいないのに、何が恥ずかしいのですか?」



!!


そうだ


言われてみれば
ここに来てから、私たち以外…誰にも会ってない


「どうして?
私たち以外いないんですか?」


素朴な疑問
ビーチだってこんなに広いのに

パラソルはここだけ


「この島は私の所有物です。私たち以外は上陸することはできません。」


サラリと言う大和さん


所有物!?


所有物!!!


ってことは
プライベートビーチ!?

「プライベートアイランドでございます。」


私の考えに由香ちゃんの訂正が入った


なんで
わかったんだろう?

「全て顔に書いてありますので。」





…そうですか…


大和さんがゆっくり立ち上がって

私のバスタオルをほどいた
「ちょっ!?」

驚く私の耳元で優しく囁く

「何も気にすることはありません。
どうぞ、存分に楽しんでください。」



背中に付いた無数の烙印にそっと手を当てて
微笑む大和さん



空気のように
いつも溢れていて
たまに触れられる

大和さんの優しさと心遣いが嬉しい


「ありがとうございます。」












私たちは夕暮れまで
海で遊んだ