続・幸せの契約

午後9時
ドアベルが鳴った


私は自室から大急ぎで玄関に向かう



「お帰りなさいませ。」


「お帰りなさいませ、大和様。」


数十人のハウスメイドやボーイが大和さんを出迎える
私は階段から駆け降りて
使用人の後ろに立った



私の存在に気づいて
皆が私の前に道を開ける


大和さんが私を見ると
優しく微笑んで
歩み寄ってくれた


「ただいま帰りました。」



「お帰りなさい。大和さん。」


なんだか恥ずかしくて
うつ向いてしまう


「いつも、出迎えありがとうございます。」


「えへへ。」


本当はずっと大和さんに

お帰りなさい
を言いたかった


あの夜から大和さんは
午後9時には帰ってきてくれる


無理してるのかな?

そう考えると
申し訳なくなっちゃうけど

大和さんが私といる時間を大切にしてくれてることが
嬉しい