続・幸せの契約

ボカッ!


クッションを力任せにソファに叩きつける



なんなの!
自分がしたことは棚にあげてさ!



私には約束守れとか
本当に意味わかんないよ…


テーブルに投げ出された
アルバム


最近はあの頃ばかりを思い出す



みんなが近くに感じられたあの頃…



「犬居さん…。」



大和さんとは同一人物なのに


新しい生活になってから

ずっと犬居さんが恋しい


ポタッ…



アルバムの写真に落ちる雫


「あれ?
私泣いてた…―?」


頬をさわると確かに濡れて手のひらが湿る


コンコン
「失礼します。
私です。入ってもいいですか?」



突然の
ノックの音と大和さんの声に慌て涙を拭った