続・幸せの契約

｢…どうして？

あなたは私の一番大切なものを傷つけた。｣



｢大切なもの…？
まさかっ…！
彼女のこと…！？｣



俺は極上の笑顔で頷いてやった


｢そ、それは！
彼女はなんの財産も力もないし、大和さんにふさわしくないと思ったから…！｣


次第に語尾が小さくなっていく


俺はゆっくり立ち上がって大蔵瞳の前にたった


｢私に相応しいか否かは私自身が決めること。

それに、彼女は貴女よりも素晴らしいものを沢山持っている。

私は彼女に首ったけなんですよ？


そして、彼女は次期萩乃宮当主の婚約者。すなわち…私の次に萩乃宮で権力を持つ。

その彼女に傷を付けたと言うことは…萩乃宮を敵に回したことになりますよね？｣



大蔵瞳がゆっくり後ずさる
その顔には脂汗が滲んでいた



｢大蔵さんの会社のスポンサーや銀行には我が社との融資契約を結ばさせていただきました。

これでそちらの会社は経営破綻ですね。

あ、それともう一つ。
大蔵泰造氏が正式に萩乃宮の傘下に入ることを認め契約を交わしました。｣



｢父がっ…！？｣



｢ですから、大蔵財閥としての権力や後ろ楯は私の前では無意味になりました。
もう、あなたには振りかざせる力や財力は無いですよ？｣