続・幸せの契約

「ふんっ。
何もできないでしょうね。あなたの様な何の力も後ろ楯もない人じゃ。」


“力”“後ろ楯”


確かに

私には何もない


瞳さんの様に
会社を経営してるわけでも
実家が富豪でもない


私はただ
蔵之助さんと契約を交わして

大和さんの婚約者になっただけ

ただの大学生で
実家なんて存在しない


「あなたの様な人は大和さんの力になれない。
相応しくないのよ!」



ドンッ!


と肩を押されて
私は後ろによろめいた


「真夜中の鐘はもう終わったのよ?元の姿に戻りなさい、シンデレラ。

素性卑しい灰かぶりがっ!」


汚いものでも見るような視線を浴びせられ


周りのセレブたちも
私に見下したような視線とバカにしたような笑いをぶつける



悔しくて


恥ずかしくて



歯を食い縛っても
瞼には涙が溜まった



私は耐えきれなくて
その場から逃げ出した