「合格したのに、あまり嬉しそうじゃないですね」
「え…」


あたしは、そんなに浮かない表情だったのかな…


「あ、あの!」


一人でうじうじ悩んでいても何も変わらないと思い、思い切って聞いてみた。


「な、なんであたしが受かったんですか?あたし、知名度とか経験とか…何もないのに…」


…口に出して言うと、本当にネガティブだなぁあたし。


「…ふっあはは」


え…なぜ爆笑されているんでしょうか…


「あの…?」
「あっすみません」


あたしおかしいのかなぁ。

「ふぅ。めずらしいですね、受かったのにそんなこと気にするなんて…」
「そうですか…?」
「はい。…あなたの合格を決定したの、僕なんですよ」
「え!?」
「面接もカメラテストも…あなたは目を引くんです。この子なら僕の思いを受け取ってくれる!って…そう思ったんです。あ、僕、Likeのデザイナーで、山下っていいます」


え…
デザイナーさん!?
うそ!?


「『この子でよかった』って思わせてください。面接で言ってたみたいに」
「あ…」
「僕が、この子を選んだんだ!って自慢できるようなモデルになってください」

山下さん…


そうだよね!
これから、あたしのこと理解してもらえばいいんだよね。




「山下さん!ありがとうございます。なんか元気出ました!」
「よかった。じゃあ、明日の撮影もよろしくお願いしますね」
「はい!」