「ただいまー」

「あぁ、お姉ちゃんお帰り」



家に帰ると、出迎えたのはテレビを見ていた妹の明美だった。



「ねぇ、お土産ないの?」

ちょっと期待した顔で私に寄る明美。
旅行行った訳じゃないんだから、んなもんあるか!
と毎回のようにツッコミたくなる自分を抑えて
私はニコッと笑顔で答えた。



「ない」





明美からは、期待した表情が消え
またテレビに視線を戻した。



私はお土産買うために生まれたんじゃないわい!
そう思いながらも、買ってきたおにぎりをくわえて自分の部屋に行った。




1人、ベッドに座っておにぎり食べる私の脳裏に浮かんだのは
今日ぶつかった男の子の事だった。




「大丈夫か!?」



結構かっこいい子だったなあ……