―――――――――――― それからしばらくして 美鈴さんと紫苑さんが出てきた 美鈴さんの目は真っ赤だった 小刻みに肩が震えていて紫苑さんの 洋服の裾をチョンっと握っていた 私の頭のなかは何を言ったらいいのか わからなくてとりあえず黙っとく 『美鈴、今日は帰りなさい』 ハッと美鈴さんの表情が曇る 『イヤッ!』 困った表情をする紫苑さん 『さっき話しただろ? ゆうことを聞くんだ』