カノジョは私を見つけると

ぱっちりした目元を歪ました

『この泥棒ねこっ、

紫苑をかえして!!

あなたのせいで私と紫苑は

別れないといけなくなったのよっ』

え?

うそ…

『紫苑はまだ私の事が好きなんだからっ』

ドクンッ

顔の表情が崩れていくのが

自分でもわかる

『お願いっ、返して!!

貴方にはお金も地位もあるじゃない

私には紫苑だけなのっ』