Turning Star

「カトリーヌは、こう言っていた。
 僕達闇薔薇は、自身の持つ能力が故に迫害されてきた、と。
 僕が、その闇薔薇の長である事。
 そして、何よりも、……愚者を狙っている事。
 愚者がここにいる事を分かった上で、1週間前ほどから、
 少しずつ学園の結界を壊しにかかっていて、あと2日で破られる事。
 彼は、大人しく愚者を引き渡せば、何もしないと言ってきた。
 だけど、そんな事をしたら、間違いなく世界は狂い出す、そう思った。
 だから、僕は、その提案を断ったよ。
 そしたら、2日後に会おう。
 最後にそう言って、彼は、理事長の意識から消えた。
 これが、……僕が覚えている限りの事だよ。」



深く、重苦しい沈黙が訪れた。
誰も口を開く事なく、ただ座っていた。
















「…………説明、ありがとう……。
 それなら、此方も話さなければならない事があるわ。
 藍、……話してくれるよね?」


そう言って藍の方を向くと、藍は、ゆっくりと頷き、話し始めた。























「私の所にも来たわ。
 そんな、……洗脳なんて生易しいものじゃなくて、本物が、ね。」


誰ともなく、息を呑んだ。
本物という言葉に、過剰に反応してしまうだろう。
私だって信じられなかったけど、藍が嘘をついているようには思えなかった。