時を遡る事、半時間前。
麗は、知らず知らずのうちに、能力を奪われる疲労のため、眠りについていた。






















~麗side~








【……麗、目覚めなさい。】




私は、何だか眠いの。
それに、目覚める理由なんてないわ。
もう少し、眠らせてよ。









【そんな事はないわ。
 貴方が目覚めなければ、悲しむ人がいるのよ。
 ……貴方の大切な友達や、そして、……貴方が心の奥底で想っている人。】



だけど、……私には、もう能力が残されていないの。
だから、もう無理なのよ。
やろうと頑張っても、もう手遅れなのよ。
だから、もう、…………私に構わないでよ。