「うわっ! 何その目!! 愛理、どーしたぁ?」

― 朝。

真っ赤に腫れたあたしの目を見て、何かあったことを悟った唯。

「もお、意味分かんないぃ・・・」
「はぁ? あたしも、全ッ然分かんないんですけど・・・」
「だってさぁー・・・? もお、最悪・・・。」

そう言って、半分泣きながら金指くんの席を見る。
辺りを見回しても、彼の姿は無い。

今日は、まだ来てないのかな・・・。
正直、ホッとした。

「はぁん? 金指と何かあったんだ?」
あたしの視線の先をたどっていたのか、唯がニヤニヤしながら言ってくる。
「え?! や、ちょっ・・・」
「手ぇ早ーい♪ 愛理はまだ、純情ちゃんなのにね?」
唯は、こーゆう時にやたらと鋭い。

「・・・で? 何されたぁ??」
もはや興味本意で問い詰めてくる唯に、あたしの目は泳ぎまくって・・・。

「!!! まさかレイ・・・」

はっ?!
その先に続く文字って・・・ ああぁ!!!

「ちょ、ちょっと! 違うって!」
慌てて唯の口を塞ぐ。

「そ、その」
「愛理ちゃん♪ 言ってごらん♪」
「えっと・・・ 電車が同じだったんだけど・・・」
「へぇ!」
お、まさかの反応・・・。
って、今はもうそんな事どーでもいい!

「偶然金指くんがあたしの後ろにいてぇ・・・」
「おおぉー?」

唯は相変わらずニヤついてる・・・。
てゆうか、もう興奮の域まで達してるんじゃないかってくらい。

「んで・・・」

・・・うぁー・・・・・・。

いざ言おうとなると、なかなか言いづらい。
でも、既に唯の目は興味津々・・・。
「そっからでしょ!」
「う・・・ん・・・。」

唯のことは信用してるし、よし、言っちゃおう!
・・・と、手に力を込めた、その時。