serious love

 大人は私を見て、変な顔をする。
 最初はショックだったけど、今はそれが普通になっている。
 こうして、人は色々な事に慣れていって変わっていく。
 かつて、私がそうだったように。。。

「亜依沙!今日、学校行く?智広が聞いてきたよ。」
 今話しているのは、昔からの親友の夜恋だ。
 夜恋は、もともと人見知りだった。
 でも、亜依沙が暇そうにしてたから声をかけたらスグに仲良くなった。
「マジ?昨日、行くって言ったしな~。」
「なら行かないと!」
 夜恋は、本当は学校に行きたいけど私に付き合ってくれている。
 1人で行きな。って言っても、なら行かない。と絶対一緒に行動している。でも、全部私のためだった。
 私は、最近リスカ、つまり自殺行為をしていた。
 だから、そんなことをしないように一緒にいて守ってくれる。私は、自殺したいわけじゃない。手が動いちゃうんだ。

 だるそうに歩きだす亜依沙。元気よく前を歩く夜恋。
 周りから見たら、友達!?って思うに違いない。
 私は髪がロングで、おとなしそうな顔をしている。でも、夜恋はショートで見た目も性格も元気で、誰とでも仲良さそうに見えるだろう。
 私は、夜恋と仲良くなって人は見かけによらないな。とつくづく思うようになった。

「おー。来たんだ~。来ないと思って帰る直前だったよ~」
 これは、智広。
 陸上部のエースだ。
 頭も毎回1位。でも、授業には絶対出ない。
 理由は、簡単だ。
 先生が嫌いだから。
 呆れてしまう。。。
 でも、なんにでも真剣で少しガキっぽいところもあるけど信頼できる親友の1人だ。
「昨日、来るっていったじゃん。」
 私が、だるそうに答えると
「何怒ってんだよ~。ってか、夜恋は?」
「え?」
 そう言えば、さっきから夜恋がいない。
「屋上じゃない?」
 あ。そうか。
 夜恋は、学校に来ると真っ先に屋上に行く。
 屋上で、空に向って話しかけるんだ。なんで話しかけるのか、誰に言っているのかは聞いても教えてくれない。だから、私は夜恋が話したくなるまで待つって決めた。