「お前、何見てんの?」
後ろを見ると、二年なのに、ベランダをつたってやってきたハルが、俺のクラスにいた。
こいつは光晴。俺が小学校5年生の時に引越ししてきた。
親が離婚して、親の実家に戻ってきたらしいが、俺はこいつが嫌いだった。
いつも、みんなの中心にいた俺の場所を、こいつがいとも簡単に奪ったからだ。
こいつの顔はお人形のように美しく、完璧だった。
サラサラの髪に、大きく澄んだ瞳。
端整な顔立ち。
冗談なのか、本気なのかわからない口調もみんなを虜にした。
行き過ぎた行動もしばしばで、とても魅力的に俺の目に映った。
