空から大きな粒が落ちては、コンクリートに打ち付ける。


水溜まりは、少しずつ大きくなってゆく…。


バシャバシャと二人の足音だけが校庭に響いていた。



「あっ…」


「新菜、どうしたの?」



雨の中、突然止まったあたしに琉奈が振り返った。



「琉奈!あたし、忘れ物しちゃった…
先、帰ってていいよ?」



こんな大雨の中、待たせるわけにもいかない。



「何忘れたの?あたしも行くよ」



「大丈夫!琉奈は先帰ってて?
じゃあまた明日ね」




「えっ?ちょっと新菜!?」


あたしは琉奈に背中を向け、また来た道を戻った。