バンッ!

乱暴にドアを閉めると

ボフン!

ベッドに うつ伏せに寝た



お兄ちゃん


ああいうのが好きなの?



柔らかそうな腕と


大きな胸



全部 私と正反対じゃないっ!




「…………嘘でしょう?」



ポスッ
枕をグーで殴ると



『相変わらず寝相悪いのな…』


『姫のパンチなんて猫パンチみたいなモノさ』



一緒に寝た時のお兄ちゃんの言葉が脳裏をかすめ



お兄ちゃんなんて


ボッコボコのギったんギったんにしてやれば良かった



お兄ちゃんなんか


お兄ちゃんなんか


「うっ……うぅぇっ…く…」



目からこぼれる雫が
枕にしみを作って行く



いやだよぉ……



お兄ちゃん いやだよぉ…



まだ 私のそばにいてよ……



誰かのモノにならないで



「うぇ~~~~~~……」



泣きじゃくる私の声を



美紅さんは腕組みしながら


ドアに耳を付けて
聴いてたなんて



私が知るよしもない―――――――――――