Bitter&Sweet




サァ…………って
少し強い風が一度吹いて



ギュッと目を閉じた


お兄ちゃんのそばに
ずっといられる方法は
この世に存在しないのかな?



ゆっくり目を開くと


―――――――――――ドキン



お兄ちゃんが私を見つめてた



優しい 優しい表情で


カァァァァァァ………


顔が赤く染まるのが
自分でも わかって


パッとうつむいた時


目に入る膝の上の手紙



「……ラブレター…見たいな」



ポツリとお兄ちゃんが呟いたから


ドキリとして


「……あ、私、もう戻らなきゃだから…また今度ね」




楽くんのは見せられるけど
雅哉さんのは無理っ



「うん。わかった、今度ね」



優しく笑うお兄ちゃんに


「じゃあね」って言って立ち上がると



「―――――――――姫」



私は振り返って


「なに?」


「………なんでもない」


「?」


やっぱり
今日のお兄ちゃん少し変



そう思いながら中庭を後にした